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 いま宇宙に行ける乗り物は唯一ロケットです。人間の乗らないタイプのロケットでは20回に1回は失敗をしていて、信頼性と安全性という面においてはやや不安が残ります。なにより使い切りで再使用できず、コストがかかるので、簡単に飛ばすこともできません。そこで再使用できる宇宙へ行く乗り物を作ろう、飛行機のように翼を持った宇宙飛行機を作ろうという構想がでてきました。その心臓部にあたるエンジンとしてスクラムジェットエンジンが有効ではないかと言われています。
 マッハ6以上で飛ぶ宇宙飛行機に搭載されるであろうスクラムジェットエンジン、基礎研究でマッハ8で推力を発生させることは分かっていますが、研究はまだまだ初期段階。超音速でエンジンに流れ込む空気流の問題や、それに伴う熱の問題、燃料の噴射の方法、そしてそれらを制御するシステムの開発を越え、10年後に試作機をつくるべく研究を行っています。
 日本やNASAを始め、世界が研究しているスクラムジェットエンジン。夢の実現に向け研究に余念がありません。このような宇宙飛行機が実現できれば、ニューヨーク−東京が3時間で結ばれます。




(上)ターボジェットエンジンのカットモデル。内部の基本的な構造はジャンボジェットの物と変わらない。

(左)ジェットエンジンの基礎を学ぶために実験用ジェットエンジンを用いる。
実験を繰り返し、あらゆるデータを測定するために風洞実験装置は欠かせない。


 研究者は時の流れに沿って研究テーマを変えるもので、やりたいと思った研究を必ずできるとは言えません。しかし縁あって子供の頃に好きだった飛行機に関わる研究に携われるというのは嬉しいですね。
 航空基礎工学を研究する中で学生たちに言うのが、「昨日までの困難な事や不可能な事でも、願えば明日現実になる」という言葉です。思惑どおりに研究が進むことはありません、失敗には色々な要素が含まれているのですから、その失敗を喜び、活かすことが重要です。そうする中で、室蘭工業大学を航空宇宙の父として、研究・実験の拠点にできたらいいなと思っています。

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