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 プラスチックのリサイクルには、熱源として燃やす「サーマルリサイクル」、溶かしてもう一度製品にする「マテリアルリサイクル」、そして元の石油や基礎化学原料に戻す「ケミカルリサイクル」がありますが、再び「プラスチックの原料」にできるものはごく僅かしかありません。多くのプラスチックを原料にまで戻すことができれば、何度も繰り返しリサイクルすることが可能になります。
 上道先生は廃プラスチックの50%〜60%を占める、買い物袋やポリ容器などに使われているポリエチレン、ポリプロピレンを再びプラスチックの原料に戻すことができる「触媒」の研究を行っています。  触媒と共に450度まで熱せられた廃プラスチックは白い気体となり、液体窒素で急速冷却されると、油と燃料電池などへ転用可能な水素に形を変えます。この油を分離精製することで、新しいプラスチックの原料へと生まれ変わるのです。
 「今はまだ色々な原料が混ざっている油しかできませんが、将来は欲しい成分だけを抽出できる触媒を作りたい」と語る上道先生は、ポリエチレンだけでなく他のプラスチックにも使える触媒の研究も行っています。私たちの周りにもある不要なプラスチック製品、それが大切な資源となる日はそう遠くないのかも知れません。

(上)プラスチックと触媒を化学反応させてケミカルリサイクルを行う。

(左)電気炉で熱し、発生した白い気体を液体窒素で冷却すると、原料となる油と水素が回収される。
生成した「油」には色々な成分が含まれており、使用目的に応じて原料を抽出する。
抽出したい原料ごとに最適な触媒を製作するのが目下の課題。そのために成分分析は欠かせない。


 1980年くらいからプラスチックのリサイクルイメージはありましたが、当時はまだケミカルリサイクルという言葉すら一般的ではなく、研究成果を発表しても反響が少なく、学生に研究の意義を理解してもらうのに苦心した時期もありました。
 今は、環境・リサイクル問題への関心は高く、研究内容も基礎から応用へとレベルアップし、成果が目に見える段階になってきましたので、学生も新しい価値のある技術の研究に、やりがいを感じているようで嬉しく思います。
 今後は塩化ビニール入りのプラスチックのリサイクルや、実用化を目指してスケールアップした時の研究を行っていきたいと考えています。

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