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 現在、石油や石炭、天然ガスに変わるエネルギーとして様々な次世代エネルギーが研究されています。近年、特に注目を浴びているものの一つにガスハイドレートがあります。ハイドレートとは氷の結晶の中に、メタンガスなどの小さなガス分子が閉じ込められた雪のような結晶で、それに火をつけると燃え出すことから「燃える氷」と言われ、海底の岩盤の下に大量に埋蔵されています。熱エネルギー研究室では、氷や雪を使って人工ハイドレートの生成に取り組んでいます。
 マイナス10度の細かく砕いた氷や雪を円柱状に成形したものに約1気圧の圧力をかけてプロパンガスを吸収させ、プロパンハイドレートを生成。最もプロパンガスの吸収率が高いのは新雪だと言います。ハイドレートに火をつけると中のガスが燃えて、「燃える氷」「燃える雪」になります。基本的にはガスだけが燃えているので氷や雪はあまり溶けずに原型をほぼ残しています。
 ガスハイドレートの魅力は少ないエネルギーでガスを貯蔵できること。天然ガスを用いたカセットコンロ用のガスは液化する際のガスの冷却に膨大なエネルギーを消費してしまったり、貯蔵時も少しずつ気体に戻って逃げるなどの欠点がありますが、ハイドレートはそのようなことはありません。北海道では酪農が盛んなので、その際に発生するメタンガスなどバイオガスをガスハイドレートの形で貯蔵し、暖房などの燃料として利用する事も十分考えられます。また、このような所にも雪は活躍できるのです。

(上)燃える雪。人工ハイドレートは氷の体積の200倍もの燃えるガスを含むことができ、次世代エネルギーとして注目されているひとつ。

(左)ガスを注入する氷は蒸留水を凍らせて砕いたものや雪を使用する。
燃える雪をつくるためには、ガスを注入し、マイナス10度で約1気圧の圧力をかけなければならない。
成型されたガスハイドレートの胴の長さは36mm。40キロカロリーくらいの熱を発生できる。


 もともと雪捨て場の雪を見てこの雪を何かに使えないかなというのは、子供の頃から思っていたことなんです。もちろんその頃はただ漠然と夏の暑いときにあの雪があれば少しは涼しいのに、といった程度でした。
 1985年から本格的に雪の貯蔵と利用についての研究に取り組み、ハイドレート以外にも雪解け水の利用や雪を利用する冷房などの研究をおこなってきました。除雪するにも手間やお金がかかるもの、自然から得ることの出来る大量の雪をただ捨てるだけではなく、どう役立てるかということを考えています。これからのエネルギーや環境について考えなければならない時代に私たちの研究が役立ってくれれば嬉しいですね。

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