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(上)棹は持ち運びするため3分割することが出来る。作る人によって棹の微妙なラインにちがいがある。

(左)公演などに使われる高級品の継ぎ手の部分は「金細」と呼ばれ金が使用されている。
胴に張る革の音を指で弾いて確かめる。ギリギリまで引っ張るため破くことも珍しいことではない。
修行時代にも作らされたお箸。現在は体験教室でものづくりの基本として指導されている。
 中央町のアーケード街の一角に波多野楽器店という和楽器全般を取り扱う楽器店があります。道内で唯一、三味線の製造も手掛けていることでも知られているこのお店は、大正7年に祖父の要次郎さんが開業され、一時期は三味線教室もされていました。「子供の頃から三味線の音の良し悪しを聞いて育ったから、音のイメージというものが出来上がっているんでしょうね」と三代目に当たる義人さん。理想の音は「澄み切った音」という波多野さんですが、今まで自作で本当に満足できる作品は1〜2本しか作れていないとのこと。
 三味線を作る工程は全部で70近くの作業があり、また部品の一つ一つも用途などによって違いがあります。「その部品の材料が優れていて、体力・気力共に充実していなければ満足いく作品は作れない」と波多野さん。例えば胴に張る革も破ける寸前のギリギリのところまで引っ張らなければ駄目だいうくらい難しい作業。父親の行夫さんは革張り職人だったため引退された現在も波多野さんの仕事に対して厳しい批評家で「これは張れていないな」などとおっしゃることもしばしばとか。その度に波多野さんは意地もあり革の張替えをされるそうです。「父は13歳の時から革を張っていましたからその技術はすごいですよ。24年のキャリアではまだかなわないところもあります」。父に負けない三味線作りを目指して日々技術の精進は続いています。

 


   波多野さんが家業を継ぐことを決めたのは大学卒業目前の頃。その後東京で6年間の修行を積みました。「最初の半年間はお箸しか作らせてもらえませんでしたね。とにかく鋸やカンナなどの道具の一つ一つに慣れなければ三味線なんか作れないからね」。
 手わざの会では体験教室として子供達に「箸つくり」の指導をしています。道具の使い方、ものづくりの過程を学んで、将来ものづくりに興味を持ってくれればと考えています。「その中からでも三味線に興味を持ってくれればうれしいね」と笑いながら語ってくれました。


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