eものづくりのまち
TOPへ戻る 専門コース 観光コース 体験入学コース 親子体験コース
専門コース




(上)古い作品の汚れを落とし、破れ等を直し、裏に紙をあて裏打ちする。神経のこまやかな作業。

(左)3代目の緑郎さんは「現代の名工」にも選ばれている。
息子さんの一浩さんも五角形や六角形などの額作りなど独創的な作品が多い。
牛の革で作った掛軸。独創的な作品にも伝統的な技術の裏づけがあってこそのもの。
 「表具師」という職業をご存知でしょうか?室蘭で代々続く表具師の大澤幸一郎さんによると「表具・表装の仕事はかなり幅が広く、いわゆる内装のクロス張りなどもその一つ。ウチでは内装も勿論だけど、主に紙や木、布・糊などを使って、一つの作品を掛軸、屏風、襖、衝立、額などに作り上げる仕事をしています。絵や書といった作品を保存し、その上見栄えよく衣装をつけることが役割です」。
 内装や住宅のリフォームなどから美術品の修復・装飾までと仕事の役割は実に広いが、今ではほとんどが分業でそれほど幅広い仕事が出来る表具師は道内でも限られるそうです。そのため道外からも依頼があり、重要文化財の甲府・善光寺の天井絵の修復作業なども手掛けています。一方で現在では和室のある家庭も少なくなってきたこともあり、生活スタイルに合った様式にとらわれない現代表具が求めらているため、創作センスを活かす仕事も増えています。表具の技術は飛鳥時代の頃に仏教と共に中国から伝わり、室町時代に茶道が盛んになるにつれて茶室を飾る屏風や襖、掛軸などの製作によって確立され全盛期を迎えたといわれています。仏教とのつながりは、初めの頃、裏すりなどの作業に無患子(むくろじゅ)の数珠を使用していたことからも窺うことができ、現在でもガラスの数珠を使用して作業をしています。
 大澤表具店は明治30年に室蘭で創業され、3代目の緑郎さんが(有)大澤室内工芸として設立。幸一郎さんは4代目にあたり、緑郎さん、息子さんの一浩さんと共に3人でお仕事をされています。大澤さんは異業種職人の集団「室蘭手わざの会」の代表としても活躍。独創的な額装をはじめ他の会員の作品との合作など幅広い活動をされています。

 


   「一般には作品が主役、表具・表装は脇役。本来私の仕事は作品に服を着せるようなもので2次的な仕事です」と大澤さんは言いますが、脇役というには大変な力量が必要とされます。表具の伝統的な技術だけでも習得するのに10年以上かかるそうですが、それだけではなく画家や書道家など美術に関する知識、現代的な生活スタイルに合った表具を生み出す発想力が求められます。「大学でデザインを学んだ時に文章を読んでイメージを絵にする課題などが今の創作額装に役立っています」と数々の作品を見せてくれながら語ってくれました。


一覧へもどるもどる


このサイトについてお問い合わせ室蘭市のホームページ