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(上)資料館に展示されている太刀。

(左)飛び散る火の粉にも目をくれず真剣な眼差しで「火造り」と呼ばれる作業を続ける堀井さん。
弟子の方と共同作業で梃子台を造る。
ペーパーナイフの研ぎ具合を見る佐々木さん。手前のペーパーナイフの刃には堀井さんの銘が。
 刀社会ではなくなった現代では普段、刀を見る事は少なくなりましたが、趣味で刀を持つ人、居合刀として持つ人と需要は様々。刀鍛冶職人は全国に200数名いますが瑞泉鍛刀所で作刀にあたっている堀井家は江戸時代末期から続く刀匠家の一つです。堀井さんは2003年秋、刀匠の資格を得た弟子の佐々木直彦さんと共に室蘭唯一の刀鍛冶職人として活躍しています。
 刀鍛冶としての作業は、刀の形にして研ぎ師に渡すまでが担当になります。木炭と砂鉄で鉄を作り出す「たたら製鉄」で得られた玉鋼を原材料とします。その玉鋼を熱して薄く叩いて細かく割って、各部分に応じて材料を調合し、細かい材料を積み上げて折り返し鍛錬を5〜15回行ない、5種類の材料を作り組み合わせて一振りの刀に延ばしていきます。火造りの時には、特に加熱の際に酸化して出来る薄皮を水打ちしながら剥がして巻き込まないように姿を叩き出していきます。仕上げに近い工程の焼入れ作業は、刀身表面に粘土を塗って刃文を描き出し800度程度に加熱して水槽の中に入れて焼入れすると真っ直ぐだった刀に反りがつきます。焼入れの際に疵が入れば最初からやり直しなので、数ある工程の中で最も神経を使う大事な作業です。同じ作品は決して出来ない、常に世界に一つだけの刀を作っているのです。

 


   子供の頃から父親の胤次さんが刀を作っている姿を見て、自然と自分も刀鍛冶になりたいと思い、刀鍛冶としての半生が始まったという堀井さん。堀井さんは手わざの会の職人でありながら、普段は日本製鋼所の社員だという珍しい一面を持っています。
 「一番難しいのはやっぱり焼入れの作業ですね。刀が生きるも死ぬもこれにかかっているから。でも、できあがった刀を届けたときに喜ばれるとやりがいを感じます。今後も切磋琢磨して、良い刀を作っていきたいですね」と抱負を語っていました。


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