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(上)家畜の糞尿、生ゴミ、作物残滓など、さまざまな有機物を処理できる「真空乾燥装置」。

(左)北海道第一号、愛別町の処理プラント。牛のフンを発酵させ、緑化の基盤材に商品化。
秋田県で手がけた処理ライン。牛のフンを発酵させ、良質な堆肥にリサイクル。
 酪農・畜産が盛んな北海道は、家畜の糞尿が悩みのタネ。牛1頭が1日に排泄する量は20キロというから驚きです。これらを大量に放置すると、地中にしみこみ環境汚染につながることから、適切に処理しなければなりません。この問題を解決するのが、ニッテツ室蘭エンジニアリングがつくっている「真空乾燥装置」です。クレーンメーカーとして知られるタダノ(本社四国)から、『牛のフンなどを処理する装置を、北海道・東北向けにつくってみないか』と委託されたのがはじまりで、これを受けた北の技術者たちは、試行錯誤の末、見事商品化にこぎつけました。
 実際にどんな装置かというと、数百頭、千頭という牛のフンを一度に処理できるよう、生ゴミ処理機をスケールアップしたものと考えてもらうとわかりやすいでしょう。邪魔物だった糞尿は、乾燥、減量、発酵というプロセスを経て、有機肥料に生まれ変わります。
 この装置が普及すると、環境が守られるだけでなく、有機肥料の販売というリサイクル・ビジネスも育ちます。有機肥料で栽培した野菜を安く安定的に供給できるようになれば、北海道の基幹産業・農業は、外国に負けない強い競争力を得るはずです。そうなると、下がる一方の日本の食料自給率もアップするかもしれません。そんな未来がやってきたら、素敵だと思いませんか。

 


   この装置は、道外で開発された生ゴミ処理機をベースに設計されました。菌の働きで牛フンなどを腐食させるわけですが、試運転を行ったときのこと、菌が予想以上に増殖し、部品まで腐らせてしまったのです。北海道にあうよう部品の材質から見直すという厳しい洗礼を受けました。寒冷地特有の現象として、冷却水のパイプが凍結して破裂し、システム全体が壊滅寸前になったことも・・・。自然のすさまじさを思い知りましたが、我々には北海道で磨いてきた技術があります。苦難こそ力量の見せどころと改良を重ね、商品化にこぎつけました。


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