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(上)「車室」は、発電機のタービン(羽根車)を覆う鋼鉄のカバー。高さ3mもある巨大なものだ。

(左)車室の下半分の「木型」。発砲スチロールを使い、数十種類の分割でつくられている。
3D-CADを駆使してNCデータを作成、巨大な木型も、機械で加工できるようになった。
 鋳鋼品(ちゅうこうひん)と呼ばれる鉄でできた製品は、溶かした鉄を、型に流し込んで生産されます。型の模型を「木型」といい、文字通り木でつくられていましたが、木材資源の枯渇が世界的に進んでいる今は、発砲スチロールなども使われています。この木型づくりは、製品の形を決める重要な工程ですが、熟練工の精緻な技量が要求されるため、技術の伝承ができないという課題がありました。これを解決しようと、多くの企業では、コンピュータを用いて機械で加工する「NC加工」の技術開発にしのぎを削っています。
 (株)日鋼デザインが挑戦したのは、NC加工が難しいとされていた大型の鋳鋼品の木型です。サイズが大きいため、パズルのように分割して加工しなければならず、加工時の段取りを多く要するなどの難題がいくつもありました。(株)日鋼デザインでは、3D-CAD(設計用の三次元コンピュータ)を駆使して、最適な分割方法の確立に成功、複雑な加工用データを効率的に作成できるようになりました。見えないものをコンピュータの画面上にあらわすという「可視化技術」に、先人達の技能・叡智を吹き込んで、ものづくりのイノベーションを実現したのです。

 


   木型は、熟練工の皆さんが培ってきたノウハウのかたまりです。それを、木型が何なのかさえ知らない私が、3D-CADのモデルデータに反映していくのですから、無謀とも言える挑戦でした。しかも、発電機の「車室」という巨大なもの。熟練工が手作業で表現していた複雑な部分も多く、機械加工できるようにするのが非常に難しかったです。発砲材の加工を得意とする業者さんと、どんな工具を使うかという所から知恵をしぼり、何度も試作を重ね完成にこぎつけました。


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